住宅ローンはマイホーム購入者にとっては、物件選びにも匹敵するくらいのかなり重要なポイントです。購入した不動産も20年、30年といった期間で利用を考える必要が有りますが、住宅ローンもやはり20年、30年、あるいは35年といった非常に長期間のお付き合いになります。しかも生命保険や火災保険までしっかり掛ける文字通り「命懸け」の契約になります。
あとで、「しまった!!」とならない為にも、まずは基本的な住宅ローンの知識を身に付けましょう。
住宅ローンには大きく分けて住宅金融公庫を中心にした公的融資と民間銀行の住宅ローンの2種類に分別されます。それぞれに一長一短はありますが、現在は公庫と民間銀行が競合しているケースも多くなり、どちらも商品開発に力を注いでいます。
一部違った商品もありますが、一般的に公的融資は長期固定金利(財形融資を除く)の住宅ローンを、民間銀行は変動を中心とした短期固定金利を主力商品としています。
住宅ローンには返済方法が2種類あります。それぞれに一長一短がありますので、特徴だけ掴んでおきましょう。
ローンは「元金」、「利率」、「期間」の三つで返済額等が決ってきますが、その大前提の返済方法によっても中身は相当変わってきます。
といっても住宅ローンの返済方法は基本的に2種類だけです。「元利均等」と「元金均等」に分かれます。
「元金均等」とは
文字通り「元金」を均等に分割して返済する方法です。
例えば3000万円、3.0%、30年返済の場合はまず元金3000万円を30年(360回)で割ります。すると83,333円になります。月々の返済元金は83,333円づつで最後まで変わりません。
その元金に毎月の利息の額を足して返済していきます。利息の方は元金が毎月減っていきますので毎月ほぼ同じ額だけ減っていきます。初回の利息は3000万円×3.0%/12で75,000円で初回月の返済額は158,333円です。
2回目の利息は(3000万円−83,333円)×3.0%/12で74,791円になります。ずうっと最後までこの計算を繰り返す事になります。
最初の負担は大きいのですが、元金がどんどん減っていくので利息の支払額は「元利均等」に比べて少なくなります。
「元利均等」とは
こちらは元金と利息を足した額が均等になるように常に元金額と利息額を可変させて毎月同じ額を返済する方式です。
同じく3000万円、3.0%、30年返済の場合は毎月の返済額は126,481円となります。
こちらは元金の減りが遅く、総支払額は「元金均等」に比べて多くなってしまいます。ただし最初の返済額が少なく、支払額も毎月一定なので一般的には住宅ローンと言えばこちらになってしまいます。
返済方法が決まると後は「元金」「利率」「期間」が決まると肝心の返済額が決まってきます。3つの内どれか一つでも少なくなったり減少すると返済額が少なくなります。逆にどれか一つでも増えると返済額は増えます。
元金は借入時にどうしても自己資金との関係であまり選択の余地はありませんが、利率は銀行によっても違いますし、同じ銀行でも選択する商品によっても違う場合があります。
ローン期間は結構みなさん選択出来る「最長期間」を選びがちですが、多くの銀行では1年単位で借入期間を設定出来ますので、今後の年金やリタイア後の生活設計も考えて期間設定をしましょう。
「住宅ローンの上手な組み方」に続きます→